恋歌/エチカ
 
優しさを与えて曇っている

歌を歌うには静か過ぎて
踊りを踊るには狭かった夏の夜
冬なのに蝉が鳴いていたから恋をして
夏なのに雪が降っていたから溶けてしまった



本当は、大事にしたい恋だった




大事にしていたはずの鏡が割れてしまったから
あなたは私を見た時に
ひどく疲れた顔をした
2年前のケロイドが
痛々しく膨れ上がった僕らのようで
いつしか僕らはお互いを
見れなくなってしまっていた


私達は己の傲慢さを知り
己の汚らしさを知って
お互いの素晴らしさを知った挙句
お互いの本当の姿を知った

くらげのままで抱き合って
骨を捜していたかった
夏も冬も
続く限りは永遠に
大切にしたい、恋でした


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