正気/砂木
 
教科書に書かれた詩に
しぶきを浴びせられたような気がして
気持ちがよいなあと感じた
あれは 小学三年生の頃
理屈なんかない
パシャっと水しぶきがかかったようで
ひとりで なんだか笑ってた

宿題でもないのに 詩のノートなんか作って
誰も読まないのに 言葉をさがしてつづっていた
ああそうだ これを夏休みの自由研究としてだせば
一石二丁と気づいた 小学五年の頃
ああ ただ楽しくて楽しくて得意になって
楽しめる事が嬉しくて楽しくて

やがて詩人になりたいと思った小学六年生
詩人になれないと悟った中一
詩人になれなくても詩は書くと決めた中三
生活費を稼げるようになったら
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