明/木立 悟
 





静かな日
雨の海
庭の瞳
はざまとはばたき


銀と鉛
指ひとつ
滴のなかの
鉄 ひとつ


息の道に立ちどまり
手首を返し 風を離す
緑の陰の水が動き
道を霧から抄い取る


はじまりのままに在りつづく
招く声や招く声
鈍の山の中腹に
灯火のように脈うつ声


空と水のさかいめはまだ
夜の音に煙っている
堅く淡い道のさき
双つの光の会話を聴く


ほころびを見ている
飛び来るもの
過ぎ去るもの
空に沈む声を見ている



















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