きづくひと/恋月 ぴの
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨らませ夜通し起きていたのに
いつもと変わらぬ朝を迎えたし
昼になっても
夕方になっても
昨日までと何ら変わることなかった
と言うかその日から辛い日々が続くようになった
神さまってウソつきだったんだ
どうにもこうにも許せなくなって
神さまのところへ文句言いに行ったら
あれっ、約束どおり叶えましたけど
あなたのことだから気づいていると思ったのですが
うーん、そう言えばち
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