おもいでの果実/
こしごえ
く遠いおもかげの種である
おとし切れないゆううつなまなざしを宙が
(歩み始め)ところどころにおとしてゆき
つくことなくゆきゆく
のびる影を抱く光景の
罪深い清流を秘めた素顔
きれいごとをいうつもりはないけれど
空中に咲く花はそれだけで奇跡だ
ただそれがそれのみでは成りたたない
しかし
私さえも ちかいうちに実る
ひとしれず
はだのふれあうひかりへ、そっと
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