12月の莢/唐草フウ
 

びんのなかにばかり
もがいたものを
さけんでいる
そんなフラスコは
こだまして
ゆれる、んるんる



かなわない
ゆうぐれに霧をはらんで
シャッターのじゅんびをすれば
くもまの太陽が
にげた
やっぱり、かなわない



激しいメロウにまかせてみたら
わたしの、快感とこうこつを
どこのだれに合わせようか
スライドがすべり
わからなくなって
泣いた



おくりたーいおくりたーい
クリスマスまでに
どこかで憂いている心を
大の人文字になって
赤と緑でくるみたい




あさ無邪気すぎる鳥は
眠ってしまう時がくる
できるだけ静かに
よろこびを浸みこませて
すいこんで
いのる

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