恋歌膝枕/蒼木りん
 
夜にも鳴いてるカッコウの

しずけさ際に 

ぼんやり燈す 薄明かり

ひたすらに 

貴方の走らすペンの音

背中にそっと 触れたいけれど

厳しい横顔 

もうしばらくは見惚れていよう

夜の窓辺 開け放ち

星もなく 月もなく 

風は密かに熱を冷まし

心情けの詩を唄うのみ

膝に

愛しい重さ感じれば

此処にかえりし 

貴方の感触を 

いつまでも確かめていよう

髪をなでながら 

唄う恋歌



  (2003.6.11)
[グループ]
戻る   Point(2)