時間/
AKiHiCo
零した涙は宙で宝石になり
触れると虚しく砕けた
その光は鮮明で煌き冴える
けれど
僕にはもう攫めない
眼を覚ます時が
――来た
誰かこの部屋のドアを
(誰かじゃなくて貴方が)
ノックして開けて
優しく受け止めて
時計の針を進めて
其の手でそっと
この部屋から連れ出して
助けて助けて助けて
聞こえますか、
本当は助けて欲しかった
縛られた縄を解き
枷を外して
其の手で
優しく
ねぇ
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