ごめんなさい/小川 葉
僕から君へ
それは届かないかもしれないけれど
届いてしまったなら
ごめんなさい
僕は
それが届いてしまった
世界であやまってばかりいた
ねえ、おかあさん
ここはどこなんだろうね
世界とは
いったい何なんだろうね
僕から君へ
それは届かなくてもよかったんだ
けれども届いてしまった
僕や君
みんな生まれてしまったんだ
届けたいものは
まだこんなに
たくさんあるんだけれども
いったいその質量は
宇宙という僕らの概念を
あっというまに超えてしまうから
不思議なものだね
ああ君は
過ちをしたんだね
死のうかななんて考えたりも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)