?bers Licht/杠いうれ
滴り落ちる鍾乳石の響きのように 光は触れ、惑わす
耳を澄まし気付くまえに 耳を澄ますよう気付かせる
それがやって来たとき
わたしたちのつたないじゃれあいを
ペテュニアやら杏、ソシュールやらで泥塗れたことを
棺の釘を抜くように
垣間見るのだ
例えば君は わたしを誰よりも解体し、標本にした
それはわたしではなかったけれど
整列された標本は美しかった
「恋のようなものを感じているのかもしれない」
「――笑い飛ばしなさい!」
やはり 勝手に咲いて、勝手に散る、のだった
君は帝王切開で産まれた
君の町を文字で知っている
君の名前を文字で知っている
君の生身を
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