水面/草野春心
 



  映し合う
  水の背にふれる
  ひとは
  いつくしむ



  貶める
  それだけで足りず
  殴り
  銃で撃つ



  いきものはしぬもの
    ことの葉が
    白鳥の群を散らす



  いきものはしぬもの
    ひびく雫は
    いつも、ひとのもの



  透きとおることは
  まるでかなわないから
  ひとはひとにふれ
  そうやって
  映しあうもの



  慰める
  それだけで足りず
  握り
  胸に抱く



  いきものはしぬもの



  ひとは、
  いつくしむもの
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