君のイチバンに/綿花
差し出された腕が 宙を泳ぐ
僕は 君をあやすかの様に微笑んで
そっと 君の両手を膝に戻した
頬を膨らます君が
抱っこをねだる君が
差し出された腕が
愛しくて愛しくて愛しくて
君に触れたい
君を感じたい
抱きしめられたら どんなに楽だろう
だけど
僕が抱きしめた時の君の仕草
違和感を覚えて身体を一瞬引く仕草
僕は忘れられない
僕はここに居て
ここに居るのは僕で
君は抱っこをせがむのに
君は誰を想うのだろう
僕は 君の イチバンに なりたいんだ
だから 少しくらい 意地悪させてよ
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