遠く、さがしにいくと/たりぽん(大理 奔)
 
の、小高くなった砂丘の上で
長い髪がもっと風のさきの方へ
音楽をなびかせています
うたであって欲しいと願います
うたであって欲しいと願います

灯台の明滅より遠くへ
それは照らして欲しいのです
ここにいる、ここにいる
ずっと、ここにいると

   透明な、とうめいな天井がそこにあって
   暗闇とそれとが同じ意味になる時間に
   漁り火を映したりします
   だれに別れを告げるでもなく
   手を振る、それを寂しいと
   名付けてしまうのでしょうか

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