墜ちる鷲/はなびーる
 
とてもとても大きな鷲が
翼を広げてゆっくりと墜ちてゆきます
ジャンボジェット機ほどの「鳥」は
よく見るとハリボテでできていて
薄紙のような外側が破れて木の骨が見えたところから
メラメラと軽々しく、軽々しく燃えはじめました


その下では
女も男もたくさんの人が逃げていました
しりもちをついて天を仰ぐ人もいました
黒いかばんが幾つも落ちて中から
たくさんの書類や札束が散らばりました
お金も
書類も
かばんも
人も
びっくりするほど軽々しく燃えました


そのとき
わたしは地球の裏側から来た魚?を食べていました
科学者たちは上気した頬でテレビに映っていました
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