ルルルルールルーごよみ/かなりや
 
ルルルルールルー
春の風は 足の指のすきまをすりぬけていった

ルルルルールルー
こまどりは ほっぺたをふくらませていた

ルルルルールルー
青びょうたんは 観察されるたび疼いていた

ルルルルールルー
シリウスは かざした左手にはもったないないくらい光っていた

ルルルルールルー
ああ あたしはこの1年なにしてたんだっけ
ああ 縁側にすわっていたのか。



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