「夜ノ森ってどこにあるか知ってる?」と、貴方は悪戯っぽく/木屋 亞万
 
先の海の上の夕日に      スケアクロウの口が裂けて、
直進していた、あぁ飛ぶんだと思う        首は据わらずに揺れ、掛け声を飛ばす

女は天頂の夕日へ直進していく
白いダーツになって、海を越えていく
夕日が海に口付けをする
そこから日没は加速する、危険だ、急げ

女は夕日を突き破った、抜けて
光の疎らな森へ突き刺さった
降り立った足の、10メートル先は夜

森へ差し込んでいた、光が薄れ、消えていく
夜が、闇が、訪れる               闇が森に差してきて、目覚めていく
夜の森が始まった                樹木に浸透していく
すすうっすう
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