ミルクホール/瀬田行生
 



ミルクホール
生温かい
むせ返るような 喧騒
人々は
輪になって
互いの顔を眺め
口を動かし
耳をそばだてる

ミルクホール
夕方は寂しい
暗くなるとき
暗くなったとき
季節の変化を感じる

ミルクホール
ミルクホールに一人ぼっち
ひざを抱えて一人ぼっち
広いような
狭いような

ミルクホール
一人ぼっち
それでも何故か 温かい
それでも何故か 懐かしい

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