身近な絶望/暗闇れもん
諦めなければと、思いながらも
わたしはこの椅子に腰掛けたまま
忘れなければと、思いながらも
わたしは開かない扉を見続けている
ひざを小さく折りたたんで
ひざを抱えて
寒いわけではないのに体が震えてくる
ため息を一つついて
出来ることならこの瞬間にでも狂いたい
わたしを忘れて
ただ生かされて
泣けたらどんなにか心が安らぐだろう
泣けないほどの悲しみか
苦しさか
何かわたしの経験したことのない
心がわたしを飲み込んでいく
責めることができたら心が安らぐなんて
嘘よね、うそ
絶望がこの程度なら
わたしまだ死ねない
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