スーパースター/K.SATO
俺がおかしいだなんて 君…
そうかもしれない 俺は
行き交う普通の 人のなりで
硬い殻に囲った 中にいる
人は自由だ
大腕で 人の間を流れる
止める何もなく 手をかざす者も そんな
頭の中には常に 清い川が流れている
時が目を伏せ
スイッチで置き変わる
今日ではない あの日に
微笑んでいた顔は 違う日だ
さっそくスイッチを押す
ああ そんな 僕がいる今日に
灰皿のタバコが燃え尽きている
側のシガーケースは空っぽ
微笑みを口元に浮かべた人は
そこに 深く目を閉じた男ではなく
大観衆にもてはやされた スーパースター
ただそこには 腰掛けた
硬い殻が流れた
強く目を見開いた男がいた
男はもう目覚めることはないのだろう
しがない現実に 夢ばかり見ていた
殴られた事のわかる 頬骨
今は痛くはない 背中のアザ
少年の
小さな目が見たような
窓の月が顔を出していた
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