上品で淡白な和食 ねじめ正一の『荒地の恋』/
里欣
上品で淡白な和食 ねじめ正一の『荒地の恋』
詩祭で詩人ねじめさんの朗読に魅了されて以来である。
この小説は、中央公論文芸奨受賞された作品で、気取らない文体。
詩人北村太郎と田村隆一の奥さんとの恋。三人の変化に富む関係。
ねじめさんの詩風と似ていて、難しい単語を使わないが、空気が張り詰めている。
上品な和食のような作品。
喧騒の中でも4、5時間、小説の世界に集中できる作品。
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