咲きそめのひかり/
朔 水
白いシーツにまるまって
すこしの肌寒さを
うでの内側にそっと
抱きよせる
ひきのばされた夢と
まねかれざるうつつに
うっとりとくったりと
心ちよいまどろみを重ねて
窓辺のレースのカーテンに
ゆらめくしあわせの香りが
うっすらと咲き初める
マスカット色の午前十時
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