退屈から充実へ/ever
 
スランプに陥った自分に

生産性を与えようと

雨の中を歩いた

マイナスを堪能しても良いかもしれない

零の集積よりは


ファミレスのドリンクバーは数を重ねなかった

「そこそこ」の苛立ちがこみあげて

徹底への渇望が無駄にひしめく

ボクはやることを貯めておいた

バナーナイフで鉛筆を尖らせること

三菱のBと2Bの2本

その原料と製造方法の模索はまだ残してある

ボクよりこの鉛筆の方が遥かに生産的に見えた


バイト先の先輩は自分は今

「もやし博士」になろうとしている

もやしのことは何でもわかりたいそうだ

なぜ?意味がわからん・・・。

と問いただしたいが

鉛筆とどっこいどっこいだ

鉛筆ともやしについて百万冊の本を書こうか?


広辞苑やimidasのような世界には

夢のような安定と格差があるらしい

だが私はそれをインクとペーパーの総量

いや使われた樹皮と墨の総量に換算しよう

かくしてそれらは自由になるのである

その光る瞬間がスランプからの脱出だ
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