部位/K.SATO
 
わたしの顔に触れる
鏡の中
一つ一つを
手になじませていくように

夢に出てくるそれらは
もっと気高く美しい
わたしはナイフで慎重に切り取り
バッグにいれて持ち帰る

耳 鼻 目 口

テーブルに並べたそれらは
ついている時よりも
はるかに愛しく思える形

わたしは人形のものだったそれらを
まるで 自分のもののように知っていく
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