零雨/こしごえ
あをすぎる(遠いおもいでの予感
日輪のうるんでしまう
空ろなカラスアゲハの羽音に
さようならを果たすべきころあい。
水影かしぎつづける岸のほとりを
黙礼する雲の視線は
暈の鎖骨をすすみ密やかなアイロンの血判に降る
いけない
みちるしずけさ(です
いつかしら
私とめぐりあわなければならなかった私
いずれにせよ
つみとれない亡霊果実
黙秘する雲の
生あたらしい視神経から零れしたたる。
宙のすくいあげる深いまなざしにふちはなく
死であろうともこの魂をうばうことは出来ぬ
ひっそりと 青葉のゆれる 波紋の 縁の ないように
まだである
ふりかえればあわ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)