アンナ/タマムシ
 
アンナは、わたしの大切な友人で、まるで姉妹のような存在でした。どんなことでも話せるし、あんなことやこんなことをして遊びました。そんなアンナが、わたしを残していなくなってしまったのは、とても辛かったのですが、誰もアンナのことを知らなくて、わたしがどんな子だったかをいくら説明しても、そんな子は知らないというふうに、首をかしげるほどでした。

アンナがいなくなってからしばらくして、公園でなついてきた猫に、わたしはアンナという名前をつけて仲良しになりました。わたしは猫のアンナに、嬉しいことがあったり、悲しいことがあったりすると、どんなことでも話しました。そんな日々が数年つづいたある日、猫のアンナは息を
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