ホタル/
K.SATO
堤防にうち寄せる波を下に
遠く霞む島を思う
冬の冷たい風を受けて
ジャンパーにつっこんだ手
シャツの襟まですくんだ首元
僕は
花火のカスを踏みしめながら
車へと戻っていった
今、どうしている
肩に滴の跡
強がっていたっけ
はねつけあいの
君はなく
一人
隣が
冷たい
伝う
闇に
一粒
ホタル
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