風船/透明な魚
見上げれば青の空に風船群
溢れ出す色が
僕を立ち止まらせた
空に向かい空に消える
風船が空に沈んでいく
空に水底の様な深さを感じる
風船がその存在を表すように
僕の存在は目に映る
僕を見つめるだれか
僕に呼びかけるだれか
僕を引き止めるだれか
僕が生きるすべては
どんな些細な事であれ
誰かに何かを
与えたり
奪ったり
生きるというのはそんな事
風船が割れてしまえば
目に見えなくなり
追うことができなくなる
しかし『それは』
依然として存在はしているのだ
見ることが出来なくなっただけで・・・
人が生きるというのもそんな事
死は人を見
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