夏の終わりに/林檎
 

奔放な激しいココロは見せぬまま

静かに静かに夏の終わりを告げよう

蝉時雨から蜩に代わるように

ひとり舞い、ひとり詩い

あふれる思いに口をふさぎ

こぼれる涙をひろい集め

握ってもらえなかった手を後ろに隠し

遠くで鳴る花火の音に耳をふさぎ

もっと苦しくなる前に

湯船が涙でいっぱいになる前に

鏡に向い自分の背中を映し

静かに静かに夏の終わりを告げよう

蝉時雨から蜩に代わるように




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