ささめ さざめき/
木立 悟
きんいろを通り
きんいろになる
ずっと ずっと
鳴っている
遠くのような
近くから来る
生は治る
生は響く
雨が雨をすぎるとき
滴に残る
影踏みの息
弱くつむれば緑
強くつむれば黒
いつか黒しか
見えなくなるのか
影より疾く
鈍く白く
背景もなく
駆けゆくもの
ひとつ泣き
ひとつ澄む
脱いだころも たたみ たたみ
次の季節へ敷いてゆく
雨およぐ光
飛び越える片目
さざめきは香る
香りに還る
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