定置漂流/ホロウ・シカエルボク
すべてが優しい歌のようで
すべてが明るいあこがれで
おまえらはまるで夢のようだ
洗おうともしない穢れに蓋をして白く塗り潰す
街中の繁華街の
何か余計なものを建て増ししている中央公園の前で
アコースティック・ギターを抱えた男が
取るに足らない何かを叫んでいる
チラシのように無償で差し出される魂に
すすんで耳を貸してくれるやつなんてそんなにはいないものさ
触れ合いたいのか
暖め合いたいのか
優しい思いを知り
疲れた心を癒したいのか?
どうして疲れた
どうして壊れた
どうして許せなかった
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