降るコンクリ、夏の/滝沢勇一
 
い。
あ、国営放送で深夜に緊急生放送
どろどろのコンクリート状の液体が廃墟となった高層ビルの発破現場の屋上から落下
近くでOLをしていた死んだ魚のような眼をした退屈な人生の女に降りかかり死亡
隣で無感動に女に交際を無理矢理迫っていたゴミみたいな人生の男は軽傷、疲れた表情でカラ笑いをしながら帰宅、何か人生の中での素敵な記憶を探しながらそんなもんは無いと気づいて明日が来なければいいのにと思いながら死にたい気分で無感動に眠る暗闇アパート3階1号室
眠かった俺のTV画面から発する電波と光にやられた目に涙
昨夜零時のことだった。

眠った。

坊主が真っ赤な金魚模様の浴衣少女に甘酒を振る舞ってきゃらきゃら笑いながら一緒に
境内で
ゆっくり、ゆっくり
たらあった、たらあった、たらあったったってダンス
踊っている

夢ん中はそりゃあもう、しあわせそうで
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