降るコンクリ、夏の/滝沢勇一
 
あ、国営放送で深夜に変則紙芝居
ぎちっぎちに縛られた若い女が気持ち良いことされそうになって目に涙
俺は何かとても凄いものを見てしまっているような気がして凝視
眠かった俺のTV画面から発する電波と光にやられた目に涙
昨夜零時のことだった。
解体工事、高層ビル群発破、廃墟
裏の寺の裏で練った不完全な
コンクリート・べとん
「昼の十一時に雨降ったろ、酸性雨なんだよ、どろどろじゃねえか、アル骨起こすぞ。」
アルカリ骨材反応でヒビ割れたコンクリート壁、錆びた鉄筋構造の剥き出し、
開放骨折橈尺骨に似て痛いたしい
苦しそうに悶えている女、
低身長口ん中いっぱいに液体溜まって窒息
吐き出
[次のページ]
戻る   Point(1)