ただ、貴方に逢いたい/綿花
掌から零れ落ちる時間を掴もうともせずに
ただぼんやりと 貴方を想う
逢いたくて逢いたくて 心が壊れてしまいそう
愛なのか執着なのか独占欲なのか
僕にはもう見極められられないけれど
貴方の不在が心に染みる
想いや
願いや
愛の囁きさえも飛び越えて
一番原始的に
一番単純に
ただ貴方の隣に居たい
未熟な僕の書く言葉は
貴方には届かないのかもしれない
貴方には伝わらないのかもしれない
けれど
僕が切実に望むのは
温もりや
呼吸や
視線や
貴方の存在そのものだから
言葉なんて要らないのかもしれない
言葉なんかじゃ伝わらないのかもしれない
それでも
言葉を綴り続けることしか
僕にはできない
貴方に逢いたい
貴方の存在に触れたい
そんな言葉を歌い続ける僕がここに居ること
どうか たまには思い出して下さい
単なる記憶で構わない
ただ 貴方に逢いたい
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