望遠/信天翁
 
     珍しくもヒヨドリのさえずりに
   生気をとりもどした アベニューで
  枯れ葉がよろめく足もとにじゃれつき
   梢が千切れ雲の孤高にふるえている
北風に切りつけられる耳のつばさとともに

          道程はるかな野末で
     たぎるかがり火が わたしには
           なぜだか見えない
     それなのに 目があるからには
   見える筈だと あんたは言うのかい
          でもね どうしても
       見えないことがあるんだょ
  こころにもうひとつ特殊な眼がないと 

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