戦争と平和/
瀬田行生
悲しい生き物
おもちゃはその手の中にある
その瞬間に
手離すことに恐怖を感じない 感じなくなる
そのひとつひとつの重さも
桜が春の風に誘われ さらわれていく 花びらのように
感じなくなる
踏みにじり 手アカをつけ 霞んでいき
見えにくくなる
それでもまた 誰かが
その繰り返しを見つめ
夜明けがくる
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