ドア/石瀬琳々
 
朝ひらく回転扉通り抜け
    落ち葉の夕べ振り向くデジャヴ


吐息にてくもる心に口付ける
    あいまいすべてガラス越しの日


今すぐに会いたい気持ち放つ午後
    エレベーターを降りて屋上


誰もいない踊り場にいて借りた本
    七ページ目に名前をしるす


ドアひらく凍える指に触れたなら
    冬の瞳で見つめかえして



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