音楽家(改)/小禽
 

彼らは傘の柄を顎で抑えながら鍵盤を叩き

雨の打つ水溜まりを産声で掻き乱す

作家を満たす旋律が沈みゆく草の色に映え

雨足が演奏を終盤に向かわせる

余響の中を帰る客達は

葬列の其れに似ている




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