熟れた果実/Izm
 

ふと想う
叫び声は空気に
やがて 空は聞き流す

「もう少し後だよ」
彼は囁いた
そんな微かな声を
追い求めていた

それは きっと
手に触れることもない

すべては幻想だろう
今はまだ
信じることに囚われて
腐りゆく日々を


遠くの鐘の音
夜明けを告げて

時は無情にも
わたしを照らす



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