パパの日曜日 ☆/atsuchan69
――】
言葉には決してできないが‥‥
ある日、奪う者たちは奇襲を行い
ナタンツの石窟は高熱の火焔で焼かれた
燃えさかる炎は彼らの理想世界までも黒く焼き焦がし
イスラムの仰圧された男どもは戦いを誓った
ああ、
なんてお粗末な台本なんだ
たった数日間の熱核戦争の後、
火を讃える国々は悉(ことごと)く壊滅し
生き残った者はごく僅かだった
砂漠こそが唯一、
我ら人類の逃れ場所だったのか?
――誰か、答えろ‥‥
※
駱駝と天幕と、焚き火。
案内されるまま山地の険しい道を辿って
やっと荒地の集落を眼にした
黄土(おうど)色の
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