干潟の風景〜トビハゼの失敗/
草野大悟
ころん
ころん
ひっくり返って
泥を背鰭につけている
ころんと返って
ころんと起きる
ころん
ころん
ころん
ころん
あちこちで
こんもり盛り上がった干潟の上で
ころんとやったら
そのまま
ころころころころ
泥の斜面をころがりおちて
てへっ
みっともねえ
とでもいうように
きょろきょろ
あたりを見回している
風が笑っている
雲の匂いがする
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