見つけること聞くこと/透明な魚
雨粒が地面にゆっくりと落下していて
そのシズクに写る果てない未来は
僕をどうしようもなく打ちのめした
一?でも踏み込む事によって現実が駆動していく
刹那程の距離でも僕等は踏み込めないんだ
本当はそういうことなんだろ?
僕等無数の点が寄り添いあって線ができて
其れがやがて意味を示す
僕等は何者でもないし
もっといえば何の意味もない
僕が例え見つけたとしても
僕はそれによって何かができるわけでもない
地面に届きもしない雨粒は
僕の肩で空にかえる
無数の中の一粒が僕の肩を叩く
それだけ
くりかえしなんだ
僕等が本当の意味で踏み込むことができれば
誰かの涙一粒を掬ってあげる事もできるのに
僕は俯いて
その一粒が同じく空に還るのを眺めているだけだ
雨粒が肩を叩けば僕は振り返る
其処にある想いが僕を遥か昔に在らせようとするから
僕はまるで全然に子供のまま
雨粒が地面に濡れる音を聞いている
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