晩秋の夜道/
高橋魚
人気の無い夜の歩道を
急ぐ足音の先で
秋との別れを惜しみ
接吻を交わす銀杏の葉が
スナックの外面を飾るライトによって妖艶に照らされている
細やかな風が吹き
一枚の命が
ひらひらと
落ちていった
音を立てて着地した
僕は体を震わせ
足音の間隔を更に狭め
晩秋の夜道を歩く
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