オチルアイダニ/透明な魚
僕らが蒼に染まるとき
感覚のない海に浸って
僕らは巡る
どこか知らない
暗いとも明るいとも分らない
手を伸ばして届く範囲の
永遠に届かないトコロに
僕はどこか遠い世界の住人と
1つ屋根の下
共に猫を育てながら暮らしている
喧嘩しない程度に語り合ったり
喧嘩にならない程度に殴りあったりして
彼は別の世界に意識を繋いで
けんだまみたいに
あっちこっちの可能性に
ゼロを置き換えている
僕は解けそうにもない
背理法の証明を
感覚で判断して
床にほうりだしたまま
それは輝きを失い埃をかぶっている
僕らは巡る
誰も知らない町並みや
誰も気がつくことの無いイ
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