けものみち/しゅう
 
ひづめの割れたピンヒールはいて、痛むかかとを引きずり歩く
そんな足じゃこんな町で生き抜くことは困難
赤くはれた目玉さらし、かかと踏んだ靴の底で
刻むビート
ワンツーステップすってんころりん
お休みなさい

野良犬の消えたビルの陰で
ナナシのケモノが身を寄せ合う
互いの違いを互い違いにからめては、
かみ合わないといがみ合う

この町はあまりにも美しすぎる
かつてのケモノはのけ者にされ
自ら名前を捨ててしまった

森の王は檻のなかで
深く嘆き傷つき
空を眺め涙たれて、やがて倒れ、絶えいく
ナナシのケモノがその死肉を漁る

(これは)罰か

現在の状態を現代
[次のページ]
戻る   Point(1)