かがやきと窓/木立 悟
 


雨が小さく入ってきては
分かれた姿をかがやかせている
窓に積もる風がくずれ
部屋の光は火の輪に変わる



土の下をゆく水の音
暗く残る灯火のいくつか
高架橋は惑いに惑い
曇に軌跡を噴き上げている



遠いかがやきをふちどる白い火
まわりのすべては遠去かり
遠い遠い点となり
落ちるように並び重なり
不確かなかたちにゆらめいている
遠去かるかたちにゆらめいている



窓に砕ける浪のなか
うすいうすい黄緑色
うすいうすい焦茶色
打ち寄せる金の光のなかで
共にふるえ黄緑のまま
共にふるえ焦茶のまま
かがやいて
かがやいて
かがやいている




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