離宮/鮎
僕の手のひらは
君のよりほんのすこしだけ大きい
ふたつ
おでこを重ね合わせて
つめたい ぬくもり
鳥がないてる
白いやつ そう
尾羽の先が 透明のやつさ
ふるるるる
遠い 故郷の鈴の音に似てる
さら 雨がふる
さら 雨がふる
ユキヤナギの枝の隙間から
空が見えるよ
あまい灰色の雲
遠く とおく
僕らはこんな
遠くの空で
また それより遠くの空を眺めてる
じっと見てる
君の目にも
僕と同じものがうつってるの
そんなことさえも わからないのに
僕らは ふたりでひとつ
それがほんの少し 可笑しい
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