みぞれ空を見上げて/松本 卓也
 
冷え込んだ風が鳴いていると思ったら
微かだけど雪が混じっていたんだね

昨夜見た夢の中で
君は幼い頃の髪形で
何度か見た笑顔を向けて
優しく手を繋いでくれていた

懐かしい風景に囲まれ
いつかと同じ話をして
移ろう木々の回廊を二人
笑いながら歩く夢

車の暖房をいくら強くしても
寒さは少しも和らがない
夢で聞いた声は果たして
君の声だったのかさえ
覚えてさえいなかったというのに

チラチラと陽射しに輝きつつも
フロントガラス越しの街並みを
遠くまでを灰色に染め上げていく

僕の空はみぞれ交じりだけど
君の空は今何を降らせているのかな

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