解/
紫野
雷鳴が
手を伸ばす
息もつかせぬ濃黄色の
速く密かに追い来る
影
覆いかぶさる灰の匂いの
かすかな
水の手触りに
あなたはもう二度と
この場所へは来ないのだと
知らされたような
気がするのだ
涙を流すといいよ
礎を礎だったものを
手許から放ったのだ
柔らかなところを
あなたが再び見つけられるよう
わたしは灯りをここにともしておくよ
戻る
編
削
Point
(2)