解/紫野
 

 雷鳴が
 手を伸ばす

 息もつかせぬ濃黄色の
 速く密かに追い来る
 影

 覆いかぶさる灰の匂いの
 かすかな
 水の手触りに

 あなたはもう二度と
 この場所へは来ないのだと
 知らされたような
 気がするのだ

 涙を流すといいよ
 礎を礎だったものを
 手許から放ったのだ

 柔らかなところを
 あなたが再び見つけられるよう
 わたしは灯りをここにともしておくよ






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