こんだく/小野カオル
 
おなかがくるしいほど 食べ過ぎたり

市販薬を飲んだときなんか 

つい 楽になろうと

うっかり 横になると

泥のような 眠りについたりして

数時間の あいだに

いちねんかんも べつの世界にいたように

浦島太郎のように 時間のかんかくが

すこし くるって

眠り姫の

昏睡から

しずかに きゅうに じどうてきに

目がひらいたとき

もとの次元に 

ぴったり じぶんのかたちが はまらなくって

しっかり じぶんのからだに もどれないで

手持ち無沙汰で

インターネットをひらいて

世間とつながったり

でもやっぱり べつの世界の

時間軸の ままでいて

さかいのない いしきで

詩をもとめて よんでみたり

深夜に 目ざめた

収拾をつけられない


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