うつわ うつろい/木立 悟
 
の刻む音


金と銀
鉄と鉛を持つ透明が
かげろうに空を示せずにいる
音は途切れ 音ははじまり
破れた淵を繕えずにいる


はかり きり
はかり きり
うたはうつわからこぼれ
野の根元
道との境に流れてゆく


揺るがぬものが揺らぐひびき
粒の波
光の破れめ
もとめる指を
すりぬける声


かわいた肌を映しながら
かわいた肌をころがる滴
たなびく光のむこうの光
手を振りつづける光のむこうに
足指は音を残してゆく

















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